脳疲労とは

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最近なかなか疲れが取れない、なんだか上手くいかない、眠れない、集中できない・・など、思い当たるふしはありませんか?
それは・・・「脳疲労」が原因かもしれません。

1.脳疲労とは具体的にどういう状態?

脳疲労とは、簡単に一言でいえば・・「脳が疲れた状態」のことを指します。
筋肉を使いすぎると筋肉疲労が起こって筋肉が動かなくなるように、脳も使いすぎると「脳疲労」を起こし、正常に機能しなくなるのです。

人間の脳には大脳新皮質と大脳辺縁系という司令塔があります。大脳新皮質は、思考や学習などの精神活動を、大脳辺縁系は食欲や性欲などの本能や情動を担っています。
また大脳の下方の位置には、自律神経中枢や食欲中枢を司る間脳があります。間脳は、意識しなくても心臓がキチンと適切なリズムで動くとか、適切にエネルギーをからだに入れるための食欲をコントロールしている脳です。
その3つの関係性は、人間の体を機能させる高度情報処理システムと言えます。

そして、私たちを取り巻く環境は「情報」の海です。もし、高度情報処理システムの処理を上回る情報が入ってきたらどうなるでしょうか?それが工場だとすると大パニックです。脳の場合は、まず大脳辺縁系が機能不全を起こし、それが大脳新皮質にも影響し、自律神経をつかさどる間脳にも影響を及ぼし脳の機能不全が起こってきます。これを「脳疲労」と言っています。
それが「脳疲労」であり、医学的にいえば、脳の中の「大脳新皮質という司令塔と大脳辺縁系という大脳旧皮質の司令塔の関係性の破綻」と言うことになります。

この脳の状況を分かりやすく「脳内ファミリー」に置き換えて説明しましょう。
大脳新皮質を父親とするならば大脳辺縁系は母親と仮定します。その両親の指示を受けているのが自律神経をつかさどる間脳で子供です。
お父さんにお母さんに子ども・・まさに、ファミリーですね!
ちょうど私たちは、カラダという自転車に3人乗りして自転車(体)を上手に乗りこなして進んでいるようなものです。

もし、「もう休みたい」というお母さんに対して、お父さんが「休んではダメだ!」「もっとこげ!」と命令を出しつづけたとしたら・・お母さんは疲れ果てて動かなくなってしまいます。「●●してはならない」「●●ねばならない」という「圧力」の横行・・いわば一方的な関係です。

そうなると自律神経をつかさどる間脳である子どもは、お父さんとお母さんの仲が悪いとどうしていいのか分からなくなり、おかしくなってしまいます。子供である自律神経や食欲中枢である間脳が機能しなくなると味覚や嗅覚などの五感に異常をきたします。味が分からなくなる、たくさん食べたくなる、眠れなくなる、感情が不安定になる・・などの心とカラダに不調を起こし、やがて肥満の原因となる過食や運動不足、うつなどの精神疾患などのさまざまな病気につながっていくことになります。

この脳内ファミリーの不和が脳の機能低下であり、この状態を「脳疲労」と呼んでいます。

脳疲労についての詳しい内容は「認知症もがんも不治の病ではない(ブックマン社)」にも収録されています。