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風を変えるシリーズ ~人生100年時代を健康に生き抜く鍵:「脳疲労」~

2025.03.12Dr.ブログ

人生100年時代を健康に生き抜く鍵:「脳疲労」

「脳疲労」という新しい考え方は、少しずつ広がりを見せ、ある共済組合では、健康診断で肥満や糖尿病、高コレステロール血症などに異常がみられた方への対策として「脳疲労」を和らげるBOOCS法を取り入れることが決定しました。初の試みでしたので、試行錯誤を経て1993年から本格的にBOOCSセミナーが開催されるようになったのです。

通常、このような健康プログラムは長くても10年ほどで終了することが多いのですが、BOOCSセミナーは2020年までの長きにわたり毎年開催され、のべ2万人以上の方々が参加されました。

初年度のセミナーには94名が参加し、そのうち65名がBOOCS法を実践しました。1年後には、95.4%の方の体重が減少し、平均で4.9kgの減量に成功しました。当時も今もそうですが、通常の方法ではやせることはとても困難ですが、BOOCS法は、「脳でやせる夢のダイエット」として大きな話題になり、新聞や雑誌、テレビでも数多く紹介されました。1998年には「BOOCS 至福のダイエット革命」という本が出版され、10万部以上のベストセラーになりました。この頃から、「脳疲労」という言葉も広がり始めました。

さらに、その後の研究では、BOOCSセミナーの参加者を15年間追跡調査した結果、セミナーに参加していない方と比べて、全体の死亡率およびがんによる死亡率が1/2以下であることが明らかになりました。そしてBOOCSプログラム参加の有無による生存曲線は明らかにプログラム参加者の方がよかったのです。この研究結果は、2015年にアメリカの医学ジャーナルにも掲載されました。BOOCSによって肥満をはじめとする生活習慣病が改善されたことが、健康寿命を延ばす一因になったのです。

「脳疲労」という考え方は、肥満や糖尿病などの生活習慣病だけでなく、うつ病などの改善にも役立つことが分かってきました。そのため、BOOCS法は単なるダイエット方法ではなく、健康や医療のあり方全体に影響を与える重要なものだと考えられるようになったのです。

私たちの最近の研究では、「脳疲労」と、細胞膜を作る大切な成分である「プラズマローゲン」の減少が関係していることも分かってきました。プラズマローゲンは特に脳に多く存在し、脳疲労を防ぎ、回復を助ける鍵となることが明らかになりつつあります。

人生100年時代を健康に、そして心豊かに過ごすためには、「脳疲労」にしっかり向き合うことがとても大切です。症状が出る前に予防すること、もし脳疲労を感じたらそのままにせず、すぐその解消法(BOOCS法)を始めることが、健やかな毎日を送るための大きなポイントになるでしょう。