BOOCSブログ
第2回:脳疲労があなたを太らせるメカニズム ~ストレスと食欲の意外な関係~
2025.07.28カウンセラーアドバイス
このシリーズでご紹介しているBOOCSダイエットは、「脳を癒す」というこれまでのダイエットとは異なる視点を持っています。なぜ脳を癒すことがダイエットにつながるのでしょうか?その秘密は、「脳疲労」と食行動の意外な関係にあります。
従来のダイエットで、厳しい食事制限や無理な運動をしても、なかなかうまくいかなかったり、リバウンドを繰り返したりした経験はありませんか?その背景には、知らず知らずのうちに蓄積された「脳疲労」が隠れている可能性があります。
藤野武彦九州大学名誉教授が、ストレスが過剰になると脳疲労を引き起こすことを1991年に提唱しました。私たちの脳、特に大脳新皮質(知的な中枢)と大脳旧皮質(本能や情動の中枢)は、ストレスを受けるとバランスを崩しやすくなります。たとえば、仕事のストレスが多いと、大脳新皮質がその情報を処理するために、本能や情動を司る大脳旧皮質に頑張って処理するように情報を送るために大脳旧皮質は大脳新皮質に振り回されやすくなります。
この脳のバランスの崩れ、つまり「脳疲労」が、摂食行動の異常を引き起こす原因となるのです。疲れた脳は、食欲を正常にコントロールする仕組みがうまく働かなくなり、必要以上に食べてしまったり、特定のものを無性に欲したりすることがあります。
具体的には、脳疲労によって五感が異常をきたしやすくなります。例えば、甘味を感じにくくなり、より強い甘味を求めるようになる、といった変化が起こり得ます。これは、本来少量でも満足できるはずの食べ物を、脳が満足できないために過剰に摂取してしまう「食行動異常」につながります。そして、この食行動異常が、カロリー摂取量の増加や偏り、運動不足(脳疲労で動く意欲が減退)などを招き、肥満へと繋がっていく、というメカニズムが考えられます。
つまり、あなたが頑張ってもやせられないのは、根性がないからではなく、脳が疲れているからかもしれないのです。禁止や我慢といったストレスフルなダイエットは、さらに脳に負担をかけ、この悪循環を助長してしまう可能性すらあります。
BOOCSダイエットは、この脳疲労に着目し、それを解消することで、食行動を正常に戻し、自然とやせられる状態を目指すアプローチです。従来の「食べない」「我慢する」といった方法とは真逆の考え方で、「脳を癒す」ことを最優先にしています。
次回は、BOOCSダイエットの根幹をなす二つの原則、「禁止を禁止する原理」と「快の原理」について、さらに詳しく解説します。つらいダイエットから解放されるための、大切な考え方です。どうぞお楽しみに!