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手がかかる赤ちゃんこそ、健やかに育っている証なのです。〜お母さんへ、やさしく伝えたいこと〜 後編

2025.12.15ブックスサイエンス

人間の脳は、生後2か月ごろからぐんぐん育っていきます。音、光、表情、抱っこのぬくもり――

毎日のふれあいが、赤ちゃんの脳に深く刻まれていきます。

この時期に

「愛されている」

「大切にされている」

「守ってもらえている」

 

という感覚が満たされると、赤ちゃんの未来の心の安定につながっていきます。

その反対に、ふれあいや温もりが少ないと、“不安になりやすい性質”を残してしまうこともあります。だからこそ、0歳の一年は、お母さんとの密な時間こそがいちばんの栄養なのです。抱っこや授乳、目を合わせて笑い合う時間が、その子の未来を支える土台になってくれます。

最近は、保育園や幼稚園がどんどんサービス化し、生後すぐから預かることが“当たり前”のように宣伝される時代になりました。もちろん、先生たちは一生懸命です。けれど、どれほどプロの力があっても、お母さんの代わりにはなれないということだけは変わりません。

 

離乳食も、言葉の獲得も、トイレトレーニングも、幼児期の成長の一つひとつを誰が見届けるのか。そこには、お母さんにしかできない役割があります。大切なのは、「園に任せるのが悪い」という話ではありません。そうではなくて、お母さんが赤ちゃんに与えられる“心の栄養”は、誰にも代わることができないということです。

 

赤ちゃんにとって、お母さんの抱っこは世界で一番あたたかく、お母さんの声は世界で一番安心できる音です。たとえ思うようにいかない日があっても、「泣かれてばかりで疲れちゃったな…」と思う日があっても、大丈夫です。お母さんのその気持ちごと、赤ちゃんは受け止めています。そして赤ちゃんにとっては、あなたがそばにいてくれるだけで、心が満たされるのです。

泣くことも、ぐずることも、甘えることも――

全部、赤ちゃんが健康に育っている証し。お母さんの安心できる胸に飛び込んでいける赤ちゃんは、とても幸せなのです。どうか今日も、ゆっくり深呼吸をして、赤ちゃんをそっと抱きしめてあげてくださいね。そのぬくもりこそが、赤ちゃんの未来を育てています。