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“子育て” と “子育ち” のあいだで

2026.01.13ブックスサイエンス

昔は、満1歳を迎える頃にはトイレトレーニングを始めていました。でも今は、紙おむつがとても快適になっているので、濡れても不快さを感じにくく、そのまま3歳を過ぎてもおむつが外れないお子さんが増えています。

実際に、園でも3歳で紙おむつをつけて通ってくる子がいました。おむつが外れないうちは、なんだか周りのことに気づきにくく、ぼんやりして見えることもありました。でも、おむつが取れた途端に、まるで世界がぱっと開けたように、周りの様子がどんどん見え、友達の輪が広がり、遊びもぐっと活発になっていったのです。“ひと皮むける”という言葉がありますが、本当にそんな変化でした。

 

そして、トイレトレーニングが落ち着き、足の裏やお尻の感覚がしっかりしてくる頃になると、少しずつお友達との関わりを教えるタイミングがやってきます。

「自分がされたらイヤなことは、お友達にもしてはいけないよね」

このたったひとつの約束を丁寧に伝えるだけで、子どもたちは遊びの中で自然と考え、学び、広げていきます。大人はただ、そっと見守っていればいいのです。子どもは自由な遊びの中で、自分の力で育っていきます。

 

遊びが深くなるにつれて、6歳を過ぎる頃には「自分って大事な存在なんだ」という気持ちが芽ばえ始めます。自分を好きになれる子は、お友達のことも大切にできます。逆に、自分を大事にできなければ、お友達を大切にすることも難しくなってしまいます。

 

だからこそ、小さい頃からの「一緒に遊ぶ」「役割を分ける」「協力する」という経験が、自我を育て、自尊感情をしっかり支えてくれるのです。こうした大切な心の土台は、まさに幼児期の関わりの中でゆっくりと育っていくものなのですね。

私たちはよく「子育て」という言葉を使います。でも、その中には「子育ち」という側面があることも忘れてはいけません。「子育て」は、大人が手を差し伸べて支えること。「子育ち」は、子ども自身が本来持っている“育つ力”で、自ら伸びていこうとすること。

 

お母さん、どうか覚えていてください。お子さんには、ちゃんと自分から育っていく力があります。だから、手をかけすぎなくて大丈夫。必要なときに、そっと、ちょうどよく支えてあげるだけでいいのです。

 

あなたの温かいまなざしと、やさしい見守りが、何よりも大きな力になります。