BOOCSブログ
「私たち」はどこから来たの?
2026.01.28ブックスサイエンス
皆さんは、「私たちはどこから来たのだろう?」「どうして私はここにいるのだろう?」なんて、考えたことはありませんか?
これは、人間がずっと昔から持っている、一番シンプルで、そして一番大切な問いだと思います。
最近の科学はすごいスピードで進んでいて、たくさんのことがわかってきました。でも、この「生命って何?」という大きな問いに、「これだ!」と言い切れる答えは、まだ見つかっていないのではないでしょうか。
もしかしたら、「私が思っていること=意識」みたいなものは、科学のルールだけで全部説明するのは難しいのかもしれません。
だから、ここでは少しだけ、「科学の目で見る命」と「哲学(考え方)的な目で見る命」を分けて考えてみようと思います。
科学の視点で見ると、私たちの体は、実はものすごくシンプルな「材料」でできています。
・タンパク質(筋肉や髪のもと)
・核酸(遺伝子DNAやRNA)
・脂質(油分)
・炭水化物(エネルギー源)
・無機塩類(カルシウム、ナトリウム、鉄など)
これらはみんな、水素、炭素、酸素、窒素など、化学の教科書に載っている、すでに知られている元素からできています。そして、体の約7割は水です。
私たちの体は、親から受け継いだ「遺伝子(DNA)」という設計図に従ってつくられています。
では、そのDNAはどこから来たのでしょう?
もちろん、私たちは親から生まれました。その親、またその親と、ずーっと昔までさかのぼっていくと、私たち人類(ホモ・サピエンス)は、アフリカで約430万年前に生きていたラミダス猿人やさらには700万年前のサヘラントロプスチャデンシスという祖先にたどり着きます。彼らは、発見された骨から、二本足で立って歩いていたと考えられています。でも、このチャデンシスやラミダス猿人にも、もちろん親がいます。私たちの「生命のふるさと」を探す旅は、さらに過去へと続きます!
人類の祖先からさらにさかのぼっていくと、地球上のすべての生き物が共通のルーツを持つ、約40億年前の「原始生命体」に行き着きます。ではこの、一番最初の生命は、どうやって生まれたのでしょうか?
大昔の地球の海は、今の海とは全然違いました。原始の大気には、水素や二酸化炭素、窒素、メタン、アンモニアなどのガスや水蒸気がたくさんありました。この地球が生まれて間もない頃、上空では雷が鳴り響き、紫外線がたくさん降り注ぎ、とても高温でした。この強いエネルギーを受けたことで、ガスや水蒸気が化学反応を起こし、アミノ酸や塩基といった、「生命のもとになる物質(有機物)」が少しずつ作られ始めたのです。
この気の遠くなるほど長い時間の化学反応の積み重ねを「化学進化」と呼びます。アミノ酸がたくさんつながって、タンパク質になり、塩基が組み合わさって、DNAやRNAといった核酸(遺伝子の設計図等)に変わっていきました。やがて、これらの物質が集まって、膜に包まれ自分自身をコピーする(増やす)ことができるようになったものが、最初の「原始生命体」だと考えられています。
「化学進化」で命のパーツができたわけです。しかし、「生命の起源」のナゾは、地球だけで生まれたとは限らない、という考え方もあります。DNAのしくみをワトソンと共に解き明かした科学者のフランシス・クリックという人は、「生命の始まりは、必ずしも地球じゃなくてもいいのではないか」と考えました。広い宇宙のどこかから「生命の種(しゅ)」が地球に届き、ここで育って、進化してきたのではないかと。これを「パンスペルミア説」と言います。最近では、隕石の中からアミノ酸のような生命のもとになる物質が見つかることもあり、「宇宙からの生命」という考えは、私たちの想像力を広げてくれます。
生命のふるさとを宇宙にまで広げて考えると、そのナゾはますます深まります。私たちは今も、母をたずねて三千里どころか「母をたずねて百億光年」という、とても長い旅の途中にいるのかもしれません。
生命がどこで生まれたとしても、地球上のすべての生き物が同じ「遺伝暗号(DNAのルール)」を持っていることは、本当にすごい奇跡です。このルールは、偶然から生まれたと考えられていますが、一度生まれると、環境に合わせて変化しながら受け継がれ、長い時間をかけて、今の多様な生き物たちを生み出しました。そして、考えたり、感じたりする私たち人類が生まれたと考えられています。
宇宙から見た地球は、暗い闇の中で静かに青く光っていて、とても美しく、かけがえのない姿をしています。46億年も休まずに回り続けているこの星は、まるで大きな「宇宙船地球号」のようです。
しかし最近の地球環境の大きな変化に直面するようになって、私たちはその乗組員の一人として、この奇跡の星を、そして、ともに生きる仲間たちを本当に大切にしてきたのでしょうか。そんな問いを、自分自身に投げかける時期に、今来ているように思います。
