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プラズマローゲン物語 (4) (5)を掲載しました。

2021.07.19プラズマローゲン物語

プラズマローゲン物語(4) 快食で減量できる方法

プラズマローゲンの研究に至る前の藤野武彦は、心臓病や糖尿病を予防するための独創的な肥満解消法の普及に専念していた。そのため1990年代、「脳疲労」という新しい概念を提唱し、一躍マスコミに登場した。この「脳疲労」概念は藤野が生み出した造語だが、この概念は藤野の医療に取り組む姿勢を知るうえで重要になってくるので、少々長くなるが詳記していく。

「脳疲労」という概念を前提とした肥満解消法「BOOCS」は「好きなものを食べながら痩せやれる 至福のダイエット革命」というキャッチフレーズで、画期的なダイエット法として健康ブームの時流に乗った。BOOCSとは英語の「Brain-oliented Oneself-Care System:ブレイン・オリエンテッド・ワンセルフ・ケア・システム」(脳を目指した自己ケア)の略語で、脳疲労もBOOCSも藤野が生み出した造語でまったく新しい概念だった。当時、藤野は九州大学健康科学センターの助教授で九州大学医学部講師だった。

特にBOOCSは、面白いとマスコミがとびついた。最初に取り上げた朝日新聞(1996年4月13日付夕刊)では、「満足いくまで食べてやせる」の大見出しで、「九州大学健康科学センター新治療法を開発」「1500人試し成功率95%」のサブ見出しで次のように記している。

「肥満の原因をストレスによる『脳疲労』、つまり大脳皮質の食関連プログラムととらえ、脳への働きかけにより肥満を解消する治療システム(BOOCS)を九州大学健康科学センターの藤野武彦助教授の研究チームが開発した。『あれを食べるな』といった禁止は一切せず、夕食を中心においしい、いいものを満足のいくまで食べて「心地よさ」の感覚を呼びさます手法だ。これまでに1500人以上が試みた結果、95.4%が減量に成功し、減量前の体重に戻ってしまう「リバウンド」もない。高い成功率に注目した米国の研究者たちから依頼を受け、藤野助教授の執筆した一般向けテキストが近く全米で出版される」

このリードに続きBOOCS法具体的な説明を掲載し、藤野の研究チームの健康セミナーで行なった治療実績を紹介している。その実績は1992年に福岡県市町村職員共済組合の職員でBOOCS法のセミナーを受講した1500人の追跡調査だ。1か月で平均3キロの減量に成功し、6か月後も体重が減っていた人が95.4%を占めた。リバウンドをした者はおらず、元気度を示す最大酸素摂取量は増えていた。磁気共鳴断層撮影装置(MRI)で調べると内臓の脂肪まで減っていた。

この朝日新聞に続き「週間朝日」が同年5月31日号でBOOCS法の特集を組んだ。地元の西日本新聞は同年7月に19回にわたる特集記事を連載した。こうなると「好きなものを食べながら痩せられる」というので女性週刊誌も黙ってはいない。その当時、女性誌はこぞってBOOCS法の特集を掲載し、全国に一大ブームを呼ぶことになる。

プラズマローゲン物語(5) 全国に一大ブームを呼ぶ

このBOOCSダイエット法がマスコミで取り上げられると、ダイエット希望者から九州大学健康科学センターには問い合わせの電話が殺到した。とても同センターだけでは対応できず、東京に「BOOCS情報センター」を新設し、東京都済生会中央病院と連携して相談に応じた。1997年6月から10月までの5か月間に1500件から1600件の電話相談を受けた。90%が女性で40代が最も多かった。ダイエットセミナーの受講希望者には健康保険で心電図検査・血液検査・体脂肪検査などの健康診断を受けることができるシステムもつくられた。福岡にはセミナー受講者を全国規模で受け入れる施設も新設された。

1998年7月には講談社から「BOOCS-至福のダイエット革命」を出版すると、版を重ねこの種の本では珍しく10万部のベストセラーになった。2003年には福岡市博多区に医療法人社団ブックスBOOCSクリニック福岡を設立し、藤野武彦が自ら理事長になった。次いで2005年には東京・銀座にBOOCSホリスティッククリニック東京を開設した。このように藤野は新ダイエット法の理論体系を普及させるだけでなく、自らクリニックを開設し実際にBOOCS法の受診希望者を受け入れる実践指導体制を確立していった。このクリニックは科学的な医療理論に裏付けられたもので、受診者の信頼も厚く根強い支持者が多い。一時は加熱気味だったBOOCSブームが落ち着いてからも、福岡と東京の2つクリニックは既存のダイエット法に失敗した人たちの救済の場となっていた。

一方で、2011年にはNPO法人BOOCSサイエンス(現一般社団法人BOOCSサイエンス)を設立した。ダイエットに限らず、人々の「脳」を元気にする活動を中心に行い、「人間本来の生命力」を発揮し、健やかに、喜びをもって生きることができるように、子どもの希望ある未来を創るために医療・教育・食育に関わる人達がリンクした活動も始めている。

BOOCSとは具体的にどのようなものであろう・・・。