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プラズマローゲン物語 (6) (7)を掲載しました。

2021.07.26プラズマローゲン物語

プラズマローゲン物語(6) BOOCS 2つの基本原理と3つの原則

BOOCS法の骨子は2つの基本原理と3つの原則からなる非常にシンプルなものである。
2つの原理の第1原理は、「禁止・禁止の原理」で、自分で自分を禁止、抑制をできる限りしないようにする、第2原理は「快の原理」で、自分にとって心地よいことを一つでもいいから始めるというものだ。

3つの原則の第1原則は、「たとえ運動などの健康によいことや健康によい食べ物でも、自分が嫌であれば決してしない、または食べない」。第2原則は、「たとえ健康に悪いこと、また健康に悪い食べ物でも、好きでたまらないか、自分でやめられないなら、とりあえずそのまま続ける、または食べる。」第3の原則は、「健康によくて、しかも自分がとても好きなこと、または食べ物をひとつでもいいから食べ始める。」である。
この2原理3原則のうちBOOCSの最大の特徴は、「快の原理」だ。「自分にとって心地よく、健康によいことを一つでもよいから始める」。つまり禁止事項よりも「脳に心地よいこと」を実践することを重要視し「脳疲労」を防ぐ。従来のダイエット法はほとんどが「カロリー制限法」のバリエーションだった。過食という行動異常が肥満につながるという視点に立てば、この方法は決して間違っていない。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば、余ったエネルギーは体内に蓄積されるのは当然の話だ。

しかしこの方法だと、方法自体がストレスになる危険が極めて高い。「食べてはいけない」という禁止により、人間として最大のストレスを受ける。そのストレスにより脳疲労がいっそう重症化する。そうなると五感異常(味覚鈍麻)がいっそう進行し、ダイエット前よりも「食べたい」という欲求レベルが増加し、さらなるドカ食い衝動食いなどの行動異常になってしまう。これが従来のダイエットのいちばんの難点でリバウンドの原因となるもとである。

藤野はBOOCSセミナーの受講者に、よくイソップ童話「北風と太陽」の例え話をする。旅人の外套を脱がせようと北風は冷たい風を強く吹きつけ続ける。すると旅人はかえって外套をしっかり押さえて脱ごうとしない。ところが太陽がポカポカ照らせば、旅人は暖かくなり外套を脱いでしまう。つまり北風型は、「禁止と強制」の従来式のダイエット法で、太陽型は「禁止を禁止する快の原理」にもとづくBOOCSダイエット法というわけだ。これがリバウンドを防ぐ最大の防止法になる。

だからBOOCSでは酒もたばこもやめられないなら、無理してやめさせることはしない。無理にやめさせるとストレスが高じて脳疲労につながる。そうすれば行動異常を来す。その代わり「快の原理」にのっとって「1日1快食」を徹底させる。1日に1食は質・量ともに心から満足いく食事を楽しむことが大切になってくる。するとやがて不思議なことに、お酒もたばこも量は減っていくのである。

また藤野はセミナー受講者に、日常生活をリセットする意味で、できるだけ短期間の入院を勧める。通常ダイエット中に家庭で食事をするときは、「これだけしか食べられない」という意識が働くが、このマイナス意識がストレスになり脳疲労にいちばん悪い。しかし入院中なら食事はもっと主体的になり「さあ1日1快食だ」と積極的になる。このプラスの積極性が脳疲労解消には大いに役立つからである。では脳疲労とは何であろう?

プラズマローゲン物語(7) 「脳疲労」とはなにか?

人体の司令塔は大脳であるが、この大脳は新皮質と旧皮質(辺縁系)に分かれている。大脳旧皮質(大脳辺縁系)は発生学的により早期にできた脳で、食欲や睡眠などの本能や情緒など生命の基本を司る。これに対して大脳新皮質は他の動物より人間がいちばん発達しており、あらゆる知的活動の中枢になるが、大脳新皮質と大脳旧皮質(大脳辺縁系)のどちらが高級かというものではなく、どちらが欠けても人間らしい精神活動ができなくなる。

通常、この新皮質と旧皮質は対等に働いて、バランスを取り合って生体をコントロールしている。健康な人間の場合は、新皮質と旧皮質が双方向に情報交換し合う連携プレーで成り立っている。たとえば新皮質が「働け」という情報を発しても、旧皮質が「休みたい」と思ってもいやいや新皮質の命令に従う。こういう状態が慢性化し新皮質の命令が過剰になると、旧皮質への過剰な負担が蓄積し不満が表面化して新皮質と旧皮質か離反してしまう。こうなると自律神経の働きを調整している間脳は新皮質と旧皮質の正反対の命令を受け取ることになり、板挟みになってどう反応していいかわからなくなり狂いが生じてくる。このような脳内の破綻が「脳疲労」であり、さまざま体の不調や疾病を引き起こす。

この「脳疲労」を健康セミナーなどで受講者に理解してもらうために藤野武彦は「脳内ファミリー」のたとえ話をする。新皮質を父親、旧皮質を母親、間脳を子どもにたとえ、次のように説明する。

「父親が仕事など外にばかり目を向け、家庭のことに関心を持たず、結果として母親を無視したり、常に母親に対して命令的・抑圧的にふるまい、母親の意見に耳をかさなかったら、多くの場合夫婦の関係は維持できない。そしてそのような関係のもとでは、子どもへのしつけや教育に関しても意見が食い違う。その結果として、意見の違う両親からの指示に子どもはとまどい、混乱に陥り不安を感じてしまう。

「脳内ファミリー」もそれと同じで、父親の大脳新皮質が情報処理のために目いっぱいになってしまい、母親の旧皮質の「休憩したい」「夜遅いし眠りたい」などのメッセージを無視し、逆に「仕事のノルマを達成するため頑張れ」「仕事が終わるまで眠るな」などと一方的に命令・抑圧し続けたら、新皮質と旧皮質の関係は決してうまくいかない。そればかりか、両親のまったく違う命令を受けた子どもの間脳は混乱し、異常を来すのが必定だ。つまり一丸となれずに脳内ファミリーの機能は低下してしまう。

そうすると食べ物から適切な量のエネルギーを摂取したり、適切な睡眠をとり疲労を回復したりするためのシステムがどんどん崩壊する。つまり五感の異常が大きくかかわってくるメタボリック症候群へ向かい、認知異常が大きくかかわってくるうつ病や認知症へ向かうことになる。

つまり藤野は「脳疲労」という言葉を提唱した当時から、「脳疲労」はメタボの原因になるだけでなくうつ病や認知症、さらに心臓病など生活習慣病などすべての疾患の引き金になると考えていた。