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真善美を追及する人はボケない

2017.09.13脳疲労と認知症

最近、「なぜ宗教家は日本でいちばん長寿なのかと」いうタイトルの文庫を本屋の店先で見つけて手に取りました。宗教家には長寿の方が多い様です。日本の歴史上では、親鸞90歳、法然80歳 と当時の人々の平均寿命を考慮すると大変な長生きです。お釈迦さまも80歳です。 本の著者は、僧侶が長生きする6つの理由を挙げています。

その一、生活が規則正しいこと、修行の一部である掃除は、適度の運動になる。
その二、経を読み、呼吸法を実践する。腹式呼吸は全身の細胞の働きを活発にします。 
その三、質素な食事を感謝してとる。糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病とは無縁です。 
その四は、よく歩く。修験道や四国遍路等 歩くことが修行の一部でした。 
その五は、尊敬される。自分が社会から評価されることは心のエネルギーです。 
その六、じたばたせずに神仏にゆだねる。

 なんとなく、「呆けずに長生き」の秘訣が理解できるように思えます。本の中で、「すべてを委ねると長生きする。そのためか、法然や親鸞などの阿弥陀の救いを信じる浄土門の高僧は 特に長生きだ」ということです。 昔から、「真善美を追及する人はボケない」といわれています。科学者、宗教家、芸術家がそうですが、普通の人でも真善美を求めて生活している方々は「呆けずに長生き」をされているようです。 『真』を追及するという人とは、いくつになっても好奇心を持ち様々な疑問を解決しようとする人です。新聞を読む、読書をするよう努めて下さい。

 『善』を追及する人とは、世話好きで、人の役に立つようなことをして毎日を過ごす人です。我々は、99.9%は生かされています。生きているのは0.1%にも満たない存在です。感謝の気持ちで生活をするとストレスもありません。 『美』を追求する人としては、画家、彫刻家、音楽家が長生きすることはよく知られています。ピアニストは指を使い、絶えず脳を刺激するのでことに長生きのようです。生け花、花の世話をする、コーラス、カラオケ、俳句、短歌など、日常的に美を追求して生きることは、ぼけ防止に効果的です。

 科学者、宗教家、芸術家になる必要はありませんが「真善美を追及する」気持ちを持って、「呆けずに長生き」を目指しましょう。

 参考文献:島田裕己 「なぜ宗教家は日本でいちばん長寿なのか」,KADOKAWA

ブックスクリニック東京・福岡 
(もの忘れ・脳疲労外来)外来を担当 
新 福 尚 隆