BOOCSブログ
三つの夢
2022.06.06ブックスサイエンス
BOOCSサイエンス理事
ハローベジタブル代表 中村賢一
私には三つの夢があります。それらの実現に向けて一歩一歩歩みを進めていくところに楽しみがあります。その三つとは、「BOOCS法の普及」、「子どもの食のオーガニック化」そして「朗読の楽しさの実践的探求」です。それぞれの夢について、果たしてどれくらい実現しつつあるのか、またそれを進める過程をどれほど楽しめているのかを少し述べてみたいなと思います。
2011年春、「BOOCS法」の実践活動の一つとしてNPO法人BOOCSサイエンスが設立されましたが、私にとっても夢の実現に直結していると受け止め、その準備段階から関わってきました。当初は、ストレス社会に生きる現代人が脳疲労から解放されて生き生きと暮らしていける循環型のモデル社会としての「Qプロジェクト計画」実現を目指してきました。その後、2017年にBOOCSサイエンスがNPOから一般社団法人化するに伴って、[Qプロジェクト計画]は「ココレスト(Cosmo・Collaboration for Rest[Forest])計画」に衣替えしたのですが、まだ構想段階で、詳細な企画立案・情報発信力の不足、そして実現に要する資金力の弱さなど超えるべき厚い壁が立ちはだかっています。しかし、状況が厳しいからこそ、粘り強く知恵と力を合わせ、あらゆる機会を活かし、どうしたらプラスに転換できるのかその芽を見出すことを子どもの宝探しのように楽しみながらも、必ずやこの夢を実現したいと願っています。さらに「BOOCS法」の物レベルでの取り組みとして、認知症を改善するプラズマローゲンの普及を進めながら、認知症カフェづくりにも協力しているところです。
次に「子どもの食のオーガニック化」の夢ですが、 古賀市での有機農業者、自然食の店の経営者や住民たちによるオーガニックな地域づくりとしての「火土水(ひとみ)市」にも関わり続けています。本当に良いオーガニック野菜を作りたいという農家の願いと、わが子の健康と成長を願う親の愛とを繋ぐ役割に手ごたえを感じています。仕事としても有機・無添加食品の普及販売の「ハローベジタブル」を手掛けています。「食のオーガニック化」を促進するうえで、有機の野菜や米などを幼稚園・保育園や学校給食へ安定供給を図ることが急がれますが、これもまた学校や行政側の高いハードルを痛感しているところです。しかし、この壁も農福連携の有機農園「オーガニックパパユニテイ」の八尋健次代表と共に、彼の人柄に触発されながら愉快に乗り越えて行こうとしているところです。山の源流から水が溢れ出し、小さな沢となり、やがて流れを集めて大海に注ぐように、作る人と食べる人を繋ぐ一本の流れのようなものが創り出されることを願っています。この小さな流れを本流に乗せるには、さらなる企画力、テーマを形に表していく力や営業力が必要であり、若い世代の協力が待たれます。
そして三つ目の夢である「朗読の楽しさの実践的探求」ですが、若いころ演劇活動に携わり、優れた型破りの人たちと接する機会があったこともあり、何物にもとらわれない自由な人になることをずっと目指し続けてきました。仕事の傍ら、新しい表現教室「発見の会」を主宰し、石牟礼道子や中上健次の小説を題材とした自己解放を目的とする朗読教室を続けています。また「朗読同人・子午線の会」に所属し、イギリスのミュージカル「オリバー」や「平家物語」、「ラマンチャの男」などの大作にも出演しました。しかし、私にとって「朗読」は一人でもやれるせいか、実践に当たっては極めて具体的です。年を重ねたこともあり、つい最近脳梗塞を患ったのですが、それでも毎日朗読を続けることが良いリハビリになっていて、また今読んでいる作品から次々とやりたい課題が具体的になって行き、少しずつやってみるとそれなりの結果が出てくるのです。勿論、その出来栄えを人がどう評価するかは別次元ですから何とも言えませんが、私にとっては挑戦することが面白く励みになっています。
これからも更にこの夢に少しでも近づくように実践していくのですが、役割上も「人と人」、「場所と人」、「場所と場所」を繋ぎ、若い人たちに活躍できる場を創り出しながら、残余の人生を楽しめるのであれば、こんな幸せなことはないなと思っています。